2020/05/22
昨年の5月に紹介した恐怖閣(Eulychnia castanea)のモンストローサ種・スピラリスです。1年前はどれくらい殖やせるかなんて楽しみにしていましたが、1年間たってもまだ買った2本のままで、ちょうど10cmほどしか伸びませんでした。昨年は日本にやってきたところで気候の違いにびっくりしていたんでしょうか?刺も弱々しかったのですが、この春からは写真のように鋭い刺をつけて急に大きくなりだしました。でもやっぱり基本種の恐怖閣よりもかなり生長は遅いようです。今年こそ殖やしたいものです。

2020/05/13
アロエ・バンバレニーは、夏場の生育旺盛な時は平凡な見た目のアロエですが、十分に日光が当たる条件で低温や乾燥などのストレスがかかると葉がきれいに紅葉します。写真のは採種用の親株にしようと目論んでいる株の御一行様で、直径50cm以上あるでしょうか。まるで茹でた大ダコのように葉をくねらせていてとても場所をとります。スペーシングしてやりたいのですが、絡んだ葉をいったんほぐすと、二度とこのスペースには収まらなくなるのでとりあえずもうしばらくはそっとこのままにしておこうかと思っています。開花するまでには、たぶん、もっともっと大きくする必要がありそうですが、バンバレニーたちが機嫌よく育ってくれるスペースが確保できるか、心配になってきます。

2020/05/09
写真はAcanthocalycium spiniflorumの実生苗で、「南米病」と呼ばれる南米原産のサボテンによく見られる生長点障害が出たものです。春になり、生長が一気に進んできた頃、数日のうちに見る見る広がってしまいました。「南米病」はホウ素欠乏で、300倍希釈程度の薄いホウ素水溶液を与えることで改善するという報告があります。植物体内でホウ素は、細胞壁の中に含まれるペクチンどうしを結合させて細胞壁を頑丈にする役割を担っています。なので、ホウ素が不足すると生長点付近で作られている細胞壁の構造がガタガタになって崩壊し、写真のような症状として現れるのだと考えられます。そして、また何らかの要因でホウ素欠乏が改善すると、続きの写真の茜丸(Denmoza rhodacantha)のように正常な生長を始めます。

2020/05/07
かなり久しぶりのブログです。すみません。。さて、種子とり用の親苗として残しておいたデンシフロルムにたくさんの花が咲きました。株の消耗を覚悟のうえで片っ端から交配しておいたところ、かなりの確率で交配が成功して角のような種鞘が生長してきました。これから数か月かけて生長し、秋ごろにはたくさんの種が採れるはずで、そのまま採り播きしたいと考えています。ただ、殖えるのはうれしい反面、来年植え替えた後の置き場所をどうしようかと考えています。

2019/12/17
まもなく冬至を迎えるこの時期はサボテンや多肉たちにとって我慢のしどころ。あいとう松田農園では実生専用ハウスで発芽させた苗が一定の大きさになると写真の育成用トンネルに移して栽培します。ちょうど2月~6月に播いた実生苗でトンネル内はすし詰め状態。中は暖かいため、冬季でもどんどん生長し、植え替えを今か今かと待っています。でも、11月~1月の最も日の短くなる時期は、夏型多肉にとって植え替えは好ましくありません。十分な暖房設備がない中で無理に植え替えても活着が遅れ、春からの生長も思わしくない場合が多いのです。目に見えて日が長くなり始める2月上旬まで、しばらく我慢してもらうことにしています。

2019/12/15
播種3年目の白星の中から花弁の先が裂ける「フリル咲き」の個体が現れました。この個体は昨年に初開花して今年は2度目の開花です。フリル咲きを固定化したいと、昨年も普通の白星と交配しましたが、採種することはできませんでした。交配はうまくいっていたはずですが、どうも子株の中に種鞘が埋もれてしまったようです。今年こそはと、隣にある普通の白星何株かと相互交配しました。目論見通りに事が運べば来年秋ごろに播種、そのまた2年後、子供が開花株になります。でも、たぶん子株にフリル咲きは現れないでしょう。突然変異はほとんどが劣性遺伝なので、子株を写真の株と戻し交配してフリル咲きの固定化を目指そうと考えています。

2019/09/22
9月13日のブログで紹介した実生6か月目の亀甲竜。一部をこのほど植え替えました(写真の左側)。一夏中葉を茂らせていたため、イモの直径は2cmほどに生長し、亀甲竜の特徴であるイモ底部のヘコミもできています。この半年間は1株当たり2~3枚の葉で頑張って光合成をし、イモを大きくしてきました。植え替えた苗の中にはイモの頂部から新しいツルを伸ばしはじめているものもあります。これからまたさらにイモが大きくなり、1年後には写真の右側の株くらいまで生長していることでしょう。

2019/09/19
写真の白星は2017年4月に播種したもの(2018年11月24日にもブログに書いています)で2年5か月がたちました。たくさんの子を出し、直径も14cmほどになりました。この1年ほどで見た目に大きな違いが出てきました。左の株は刺がびっしりついた真っ白の白星で、当農園に古くからある株もこのタイプです。一方で右の株は刺と刺の間に隙間があり、大粒の雪が木の枝に積もりはじめたような風情を醸し出しています。この個体は疣がまばらで、その長さも長いことがこのような見た目の特徴に影響しているようです。一般的には左側の株のようなものが観賞価値が高いと評価されそうですが、右側の株も捨てがたく感じます。実生をすると様々なタイプが出現します。観賞価値が高いものを選抜するもよし、多様性を楽しむもよし、異端を追求するもよし、可能性は無限です。

2019/09/17
9月も半ばとなり、日中は暑くても朝夕は気温が下がりました。サボテンや多肉植物にとってはとてもいい季節です。真夏の暑さでバテていた彼ら彼女らも旺盛に生育を始めました。あいとう松田農園の「猫のしっぽ」コラデモノニスも再び開花をはじめました。うねりながら伸びる茎の上に突如として咲く深紅の花は、ヒガンバナを思い出させます。まもなく、田んぼの畦道でもヒガンバナが咲き誇ることでしょう。

2019/09/13
亀甲竜(Dioscorea elephantipes)は冬型の多肉植物として扱われています。秋から春が生長期で、イモヅルをグングン伸ばして生長します。あいとう松田農園でも実生で亀甲竜を生産していますが、夏も目立った休眠をせず青々と葉を茂らせています。写真は2019年3月に播種した亀甲竜ですが、真夏もずっと葉を茂らせたままです。イモが10cm近くなった株でも、5月ごろにツルが枯れたと思いきや、再びイモの頂上から新しいツルを伸ばして生長するのです。断水が気の毒になり、ほかの夏型多肉植物と同様に水やりをしていると真夏も平気で生長します。まだ株が若い時の特性なのか、それとも条件が整えば常に生長する性質、つまり、亀甲竜の休眠は強制休眠なのかは定かではありませんが、引き続きじっくり見極めていきたいと思います。

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